歯科衛生士の仕事が好きじゃなかった私が仕事を好きになった理由
「先生が何をしても“ありがとう”って言葉をかけてくれるので初めて歯科衛生士の仕事を楽しく感じました。」
しらとり歯科で働くまでは歯科衛生士の仕事があまり好きではなかったんです。
そう話してくださったのは千葉県君津市のしらとり歯科でチーフ衛生士として働く渡邉さん。
仕事が楽しくなったエピソードや転職のコツ、予防中心の歯科で働くやりがいなどをお伺いしてきました。
・歯科衛生士 渡邉 真由子さん
・歯科衛生士歴 15年(内ブランクが4年半) しらとり歯科は5年9か月
・経験した医院数 3軒
・おすすめの歯ブラシ ワンタフトブラシ
・保有資格 歯並びコーディネーター、ホワイトニングコーディネーター
・出身校 北原学院歯科衛生専門学校
予防歯科での歯科衛生士業務内容を教えてください
主にスケーリング、SRP、PMTCなど予防業務を中心に業務を行っています。
自分が担当している患者さんが1日に大体8名くらいです。診療補助につくことはほとんどなく、予防専用ルームにいることが多いですね。
1日のタイムスケジュールを教えてください
・起床
6:30---------------------------
・準備
子供を起こしてご飯の用意をし、学校に送りだします
7:30---------------------------
カルテチェックや帰りに残りそうな業務を早めに帰るために少し早く出社してやっています
8:30---------------------------
基本セットや予防ルームの準備をします
9:30---------------------------
・午前の診療
予防ルームに入り、1人当たり40~45分くらいでスケーリング、PMTCを行います
12:20--------------------------
午前の片付け、予防専用ルームとユニットをきれいに清掃します
12:30--------------------------
・お昼休み
先生とスタッフみんなでお昼ご飯を食べます。
お昼を食べたあとは各々自由な時間を過ごしています
13:50--------------------------
午後の準備
予防専用ルームに基本セットを並べるなどの準備をします
14:00--------------------------
・午後の診療
予防ルームに入り、再びメンテナンスを業務を行います
18:30--------------------------
・片付け
19:00--------------------------
・退社・買い物
19:30--------------------------
夕食、家族との時間
24:00--------------------------
就寝
有給休暇や特別なお休みはどのようにとっていますか?
子供の学校行事の時に有給をとることが多いのですが、年間スケジュールが出ているので事前にアポイントを入れないようにしてお休みをもらっています。
患者担当制で働くことの魅力を教えてください
患者さんが“毎日使う歯の健康をサポートしていく”そういう意味では生活の一部に貢献している事になるので責任も大きいですが、やりがいはとてもあります。
コミュニケーションをたくさん取るので患者さん以上に患者さんの発言とか覚えていることがあって、相手を深く知れるのも担当制ならではだと思います。
あと、メンテナンス以外でトラブルを起こして来院された際にも悪くなりそうな所がわかるのですぐに対応できてよかったなと思いました。
アシスト業務メインの歯科医院と予防中心の歯科医院で働いて思った違いはなんですか?
予防型の方が、先が明るいなと思います。
アシスト業務が主な所は治療がメインになると思うので痛みを伴いやすいですし、患者さん側も施術側も少し辛い場面があるのですが、予防型だと悪くならないようにケアしていく所なので歯を失うことも防げるし、患者さんも痛くない。
衛生士側も気持ちの部分で負担が少ないと思います。
担当制の歯科衛生士さんにはどのようなスキルが必要になると思いますか?
コミュニケーションスキルの中でもヒアリングするスキルは必要だと思います。
口腔内の環境は生活背景がとても反映されるところなので、口腔内ももちろん診るのですが、それ以上にその口腔内の環境に至った生活背景をヒアリングして良い方向に改善していくことが重要になります。
またスケーリングやSRPなどの技術面も信頼関係を結ぶ上で大切だと思います。
実は私、昔は人見知りだったり、ここで働くまでアシストがメインの歯科医院だったのでSRPなど歯科衛生士らしい業務はしてこなかったんです。
必要なスキルはどのように身につけましたか?
診療後、院長先生にわからないことを教えてもらったり、フリーランスの歯科衛生士さんが2~3ヵ月に1回来てくれるんですが、基礎的な知識の習得や、スケーリング・SRPの姿勢やポジショニング、TBIについてなど、様々なことを教えてもらっています。
離職率が高い職業と言われていますが、仕事を辞めたいと思った事はありますか?
正直、しらとり歯科で働くまで、歯科衛生士の仕事は好きではなかったんですよ。
先生の診療補助がメインでやりがいもあまり感じてなかったですし、結婚を機に歯科衛生士の仕事から4年半ほど離れていました。
子供が大きくなって、主人から「せっかく歯科衛生士の資格を持っているんだからまた働きなよ」って言われて、少し抵抗もありましたが、パートならという思いで、復職にしました。
最初は不安でいっぱいだったのですが、しらとり歯科で働いてみると、歯科衛生士の仕事が初めて楽しいと思えたんです。
ここでなら正社員で働きたいと思い、家族を説得して正社員として働くことにしました。
仕事が楽しいと思えたきっかけはなんだったのでしょうか?
歯科衛生士を辞めたいなと思った事と通じるのですが、今までのところは「歯科衛生士なんだからできて当たり前でしょ」とかできない時に、「なんでできないの?」っていう感じだったので自発的に仕事をやりたいと思ったことがなくて、言われたからやるという感じだったんです。
でも、しらとり歯科で働いていると“ありがとう”と言われることがとても多くて、セメント練ったりとか本当にささいな業務のことまで、ありがとうと言ってくれるので仕事が楽しい!もっと色々な仕事がしたいと思えたんです。
先生やスタッフからのありがとうの言葉がとても大きかったと思います。
歯科衛生士さんからの辞めたい理由としては、先生とのトラブルが多く上げられるのですが、何か工夫をしていますか?
先生とのトラブルの原因って『先生がやってほしいこと』と『歯科衛生士さんのやりたいこと』の考え方がズレてしまうから先生から言われちゃうし、こっちも言いたくなると思うんです。
私もそういうトラブルは絶対に避けたいと思っていたので、しらとり歯科に入職してから2年くらいは、必ず診療後に自分が疑問に思ったことや院長から診療時、言えなかったアシストや患者様対応の改善点など話し合う時間を設けてもらっていました。
お互いがしっかりとコミュニケーションをとって、考えや気持ちをすり合わせることがすごく大切だと思います。
今後どのようなライフプランを考えていますか?
ずっと歯科衛生士として患者さんの歯の健康のサポートをできていけたらいいなと思っています。
衛生士専用のおしゃれなユニットを使用しています。タービンの音のしないゆったりとした空間のなか、メンテナンスができます。
歯科衛生士が転職・就職を考えたらここをチェック!!
渡邉さんが就職・転職活動をするときや入職後に気をつけていたポイントをご紹介します!
面接時・見学時のポイント
見学時、スタッフとコミュニケーションをとる時間を設けることが大切だと思います。
実際に長い時間、一緒に働くのはスタッフなのでどのような人なのか、どんな考え方なのか話を聞くことをおすすめします。
面接時には自分にとって自信がないことや不安なことはちゃんと伝えた方がいいと思います。
私は何でもできると思われ、いざ働いてみたら全然できないと思われることが嫌だったので院長に「歯科衛生士らしい業務をしてこなかったのですが、大丈夫でしょうか?」と伝えました。
入職後、少しずつ無理のないように業務を任せてもらえましたし、わからないことも質問しやすかったですよ。
入職後はここを気をつけて仕事にのぞもう!!
院長との考えがズレないように診療後にわからないことを積極的に質問をしたり、自分の業務のやり方などをフィードバックしてもらうようにしていました。
■編集後記
私が歯科衛生士として働いていた時、「予防中心の歯科医院で働くのはスキルが高くないと無理かな?」「求められる事が多そうだな‥」と少々難しいイメージを抱いていましたが、今回お話を伺っていて、私でもできるかも!なんか楽しそう!(努力は必要ですが)と思いました。
仕事は1日の中でも占める時間が長いので、やりがいや楽しさを見つけて働けると理想的ですよね♪
取材・文/シカカラ編集部 やぎ