

歯科衛生士として働くことを辞めた場合、
- 別の仕事に転職する
- 退職・休職する
の大きく分けて2つのパターンがあります。
目次
歯科衛生士の就業場所の割合
2018年に厚生労働省が発表した「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、働いている歯科衛生士の9割が、歯科診療所(歯科医院)に勤めています。
歯科医院以外で働いている歯科衛生士は、残りの1割です。
働いている歯科衛生士は10万人以上いますので、1万人以上が「歯科医院以外の仕事」をしているということになります。
歯科医院以外だと、病院、市町村、歯科衛生士学校、保健所、企業、介護施設などで働いているようです。
歯科診療以外の業務がメインになる職場は、歯科衛生士学校や企業が多いですようですね。
歯科衛生士を辞めた後の転職先は?
9,000人を超える歯科衛生士のキャリア相談に乗ってきたシカカラDH求人の過去情報をまとめると、
- 一般企業で、事務や営業として働きたい
- 自分の興味のある、飲食店(昼もしくは夜)やネイルサロン、エステ、アパレルなどで働きたい
- 介護施設で、介護職(ヘルパーなど)として働きたい
- 学校に通いなおして、歯科医師や看護師の資格をとって、そちらで働きたい
というように考える歯科衛生士もいました。


歯科衛生士の資格を活かして企業で働く
一般企業のなかでも、歯科衛生士の資格を活かして、歯科関連の企業で働く方が多いようです。
一般企業の新卒採用では、4年制大学を卒業見込みの大学生が主な対象です。
中途採用の場合、歯科衛生士として働いた年数が長いと、一般企業で求められる「営業や事務業務などのスキル」が身についていないため、「新卒」と同じような扱いになる可能性があります。
一般企業の新卒は、給与が歯科衛生士に比べると低いケースが多いです。
つまり、20代後半になってから転職した場合、新卒レベルの給与(18~22万程度)に下がり、若い新卒社員と一緒になって働くことになるかもしれないということです。
そもそも、業界未経験の人材を中途採用してくれる企業がどれくらいあるかもわかりません。
そのため、歯科衛生士という資格を活かせる、歯科関連企業が多く選ばれるという形になっていると考えられます。

有名なのは、「株式会社オーラルケア」という会社です。
予防歯科の普及を目指し、歯科医院向けに、デンタルフロスなどを販売している会社です。
歯科医院向けの営業活動や、セミナー講師などが業務内容になっています。

シカカラを運営しているグローマスで働く歯科衛生士はメディアの運用・企画、歯科医院のホームページ作成や歯科衛生士の就職サポートをおこなうキャリアアドバイザーの業務に従事しています。
歯科関連企業での職種は?
企業側の求める職種は、やはり営業職が多いようです。
営業職は、成果=売上金額、となるので、どこの会社も優秀な営業職を求めています。


実際は、上司や先輩が相談にのり、目標達成できるよう指導してくれる、というケースの方がほとんどなので、ある程度のプレッシャーに強く、やる気や興味があれば問題ないと思いますよ!
企業のニーズに反して、歯科衛生士が企業へ転職する際に希望する職種には、「事務職」が多い印象にあります。
ただ、最近の流れでは、事務職は正社員で雇わず、契約社員や派遣社員に任せることが一般的になりつつあり、歯科衛生士に限らず正社員で事務職を希望する人はたくさんいるので、競争率も高いです。
接客業など他業界で働く
飲食店やネイル・エステなどの美容業界、アパレル関係には憧れる女性も多いです。
しかし、年齢が高くなってから働けるかというとそうではなく「若いうちに経験してみたい」と考える人が多いのも事実です。
歯科衛生士の資格をとって、数年働いてみたあとに、
「若いうちしかできないし」
「1年くらい歯科衛生士以外で働いても、また戻れるし」
と考えて、興味のある業界に転職する歯科衛生士もいます。


退職・休職して働かないケース
「とりあえず数か月・数年は働かない」というケースも含めて、歯科衛生士を辞めてから働いていない方もたくさんいます。
日本歯科衛生士会が行った調査をまとめた「歯科衛生士の勤務実態 報告書」によると、全回答者8,780人中、1,195人(約13.6%)は、いま現在働いていないとの回答でした。
(注) 本調査は、日本歯科衛生士会の会員向けに行われたアンケートです。歯科衛生士全体の平均的な考えとは、若干異なる可能性があります。
現在働いていない理由は、出産・育児(20.8%)、退職・高齢(13.8%)、歯科以外への興味(11.1%)の順で続いています。
その中で、歯科衛生士として再就職するつもりはない、と考える割合が、以下のグラフです。
※「再就職したい」は、「すぐにでも再就職したい」「条件が合えば再就職したい」を合算した数値です。
25~39歳くらい年齢ですと、歯科衛生士として働いていない理由のうち、出産・育児が多いと考えられるので、いずれ再就職したいと考える歯科衛生士は多いのかもしれません。
20~24歳は、再就職するつもりがないのが13.2%と、40~44歳の7.6%よりも高くなっています。
これは、早期の結婚によって専業主婦になるケースや、少し働いてみて「どうしても歯科衛生士に向いていない」と考える人がいる、などの理由が考えられます。
45歳以上で、再就職するつもりがない歯科衛生士が急増しているのは、やはり高齢・引退や、自分の健康、介護などによって、働けなくなる、というケースがあるからだと推測されます。
歯科衛生士のやりがいや魅力は?
歯科衛生士として働いている中で、やりがいを感じているかどうか、という調査では、9割近い歯科衛生士が「非常に感じている」「ある程度感じている」と回答しています。
やりがいを感じる部分、つまり、歯科衛生士としての仕事の魅力は、やはり「国家資格で一生続けられる」ということがトップで、66.9%の歯科衛生士が感じているようです。
上位には社会貢献性の高さが並びますが、
・就職・転職に困らない
・女性として働きやすい
・収入の安定
など、自分にとってもよい職業だと感じている歯科衛生士もたくさんいます。
歯科衛生士を辞めたい理由は、やりがいや魅力が原因ではないのかもしれません。



