歯科医院に来られる人は患者さんだけではなく、薬や物品などを持ってくる外部の方もいます。
このように歯科医院に仕事で来られる人を「業者」と呼んでいます。
では業者さんにはどんな人たちがいるのでしょうか?本記事で紹介していきます。
歯科医院に来る業者さんの種類
歯科医院に来てくださる業者さんは、業種は違えど大切な仕事仲間となります。
就業中に来られたとき「誰だろう?」と、ならないようにしておきましょう。
ではさっそくご紹介していきます。
① 技工関係者
患者さんの技工物関係を取り扱う業者です。
主に歯科医院から依頼された技工物を届けに来たり・注文を承ったりしてくれます。
院内に技工所がない場合、外部の歯科技工士さんに注文依頼する必要があります。
歯科医師が患者さんの口内を診察し、技工物製作をしてもらうため「指示書」を作成します。
技工関係者が指示書を元に技工物を制作し届けに来るという流れですね。
指示書には下記内容が記載されています。
- 名前
- 技工物の場所
- 指示事項
業者は指示書を受け取るだけでなく、歯科医師から具体的な指示について口頭でも話を伺います。
そして、自社に持ち帰り歯科技工士に製作依頼を行います。
患者の型どりや指示内容が的確でなければ、精度の高い技工物ができません。
技工関係者は、常に丁寧な診療とコミュニケーションを大切にしながら仕事をしています。
② 材料屋
呼び名は様々かもしれませんが、歯科医院に必要な薬や歯科器材を取り扱う業者です。
具体的に扱っているものは、
- 歯科衛生士が使用する歯の汚れを取り除く器材
- 歯を削る、歯を磨くために器材先端にセットする器具
- 歯の型を取るために使用する練りもの材
- 滅菌・消毒に必要な洗剤
- 止血や炎症に使用する消毒液や軟膏
- 患者さんにおススメする歯ブラシ
- スクラブ(作業着)
など、様々なものを取り扱っています。
今はカタログで注文もできますが、営業の方が直接歯科医院に足を運び注文を承ったり・注文を届けにきたりするところもあります。
また材料屋は1社のみではないので、自社商品を歯科医院で利用して頂けるように、商品をおススメしたりもします。
③ 税理士
歯科医院の税務や労務など経営の根幹部分をサポートしている国家資格者です。
- 歯科医院の会計処理をしたり、申告書を作成する
- 納税の管理や、税金関係の処理などを行う
- 治療で発生する診療報酬管理やそれに伴う経営状態の把握やアドバイス
- スタッフ給与に関する管理
など、主に歯科医院の経営に携わる業務を請負っています。
事務的な管理や手続きがメインになります。治療で忙しい院長に代わって、専門的なサポートを行います。
歯科衛生士の給与や賞与なども、院長だけの一存で決められているわけではなく、経営状態が分かっている税理士の意見を参考に給与額が定められているところもあります。
歯科衛生士たちは直接関わることはありませんが、働く職場を陰で支えている人になります。
④ メーカー
メーカーで取り扱っている商材の例は
- ユニット台
- X線撮影装置
- 可搬式歯科用ユニット
- チェア
- 滅菌器
など、材料屋のように定期的に注文や交換が必要でない高額な設備を取り扱っている会社です。
開業時やリニューアル時に、設備替えで来られるたりしています。
またメーカーによって、性能や機能も異なるので、
「今利用しているものから変えないか?」
と自社製品をおすすめするため、歯科医院へ来られることもあります。
⑤コンサルタント会社
コンサルタント会社とは、院長や事務長と一緒に歯科医院の経営や採用を円滑に進められるように、現状の把握・分析を行い、アドバイスを行う専門家です。
歯科医院にとって、悩み相談を解決してくれる方と思っていても良いでしょう。
そのため、依頼される業務は多岐に渡ります。
経営の根幹となる金銭的な管理から、スタッフの定着率を高めるための施策や、スタッフとのコミュニケーションを図り、現場の問題解決に努めたり、など様々です。
固いイメージもありますが、担当者によっては温厚で話しやすい方もいるので、何かあれば仕事のことの悩みや相談もできるかもしれません。
最後に
紹介した通り、歯科医院には色々な人が出入りし、歯科医院を支えています。
患者さんの方に目が行きがちな仕事ですが、業者の方も患者さんのために頑張っている同じ仲間です。
いい関係を築くことで、自分の役に立つ話を聞けたり、患者さんの診療に活かせることを知る機会ができたりします。