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【歯科医師の備え】歯科医師賠償責任保険とは?

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歯科医師賠償責任保険って?

歯科医師賠償責任保険は、歯科医師として医療行為をしていく上で、何か事故などが起こった場合に補償をしてくれる保険です。


歯科医師として歯科医療行為をする上で、加入を推奨されているのが「歯科医師賠償責任保険」です。

歯科医師専門の保険なので一般的ではありませんが、歯科医師をしていく上では必要な備えです。

今回は歯科医師賠償責任保険についてご紹介します。

「どんな補償があるのか」「どうやって加入するのか」などもご説明していきますね。

歯科医師賠償責任保険の2つの補償内容とは!


歯科医師賠償責任保険は、個人でも医院でも加入することが可能です。

この保険は主に以下の2つの補償から構成されています。

歯科医師賠償責任保険の構成

医師賠償責任保険
医療施設賠償責任保険


具体的には、どんな補償があるのか、ご説明いたします。

医療ミスを起こした場合は、医師賠償責任保険

「医師賠償責任保険」では、歯科医師自身や歯科助手などの診療中に医師を補助する者が日本国内で行った医療行為によって医療ミスを起こしてしまった場合に発生した賠償損害金が補償されます。

歯科医師賠償責任保険の適応ケース

診断ミスや手術のミスによって患者の症状が悪化してしまった場合
後遺症が残ってしまった場合

にもその問題が医師賠償責任保険の保険期間内に見つかった場合は、損害賠償金を支払ってくれます。

施設の不備等が原因だった場合、医療施設賠償責任保険

「医師賠償責任保険」は医療行為によって起こる損害賠償の補償でしたが、「医療施設賠償責任保険」は、医院(医療施設)内で起こった事故の損害賠償の際に使う保険です。

歯科医院などの開業医の場合に、

医療施設賠償責任保険の適応ケース

患者さんが来院時に自動ドアで怪我をしてしまった
院内で転倒して怪我をしてしまった

等の医療施設内での怪我や事故に対しての損害の際に損害賠償金を支払ってくれるのが「医療施設賠償責任保険」です。

個人で開業をしている場合には必要な保険ですが、大学病院や製薬会社などの勤務医の場合には個人的に掛ける必要はありません。

歯科医師賠償責任保険の対象とされる範囲

歯科医師賠償責任保険が実際に補償してもらえる範囲についてみていきましょう。

医療行為をする歯科医師のための賠償保険ですので、一般的な保険よりも広範囲の補償をしてくれるはずです。

では、具体的にどんな損害が合った場合に補償をしてくれるのでしょうか。

歯科医師賠償責任保険の補償範囲とは

歯科医師賠償責任保険は、金融庁が定めた医療従事者特別包括約款に基づいて、賠償責任が発生した場合に損害賠償金を補償してくれます。

具体的に補償してもらえるのは下記の5つの場合になります。

法律上の損害賠償金

日本国内で治療中に発生した事故に対しての損害賠償(医師賠償責任保険)
歯科医院内での事故によって発生した損害賠償(医療施設賠償責任)

求償権の保全、行使等の費用などの損害防止軽減費用

ここで補償されている費用とは、損害が発生した場合に損害の拡大を防ぎ、損害そのものを防ぐ対策を打つための費用をいいます。

事故発生時の応急手当等の緊急措置費用

治療中に起きた事故の際などに、損害補償責任を負わなくても良くなる場合があります。
主に応急手当や緊急措置を行った場合がそれにあたります。
応急処置や緊急措置を行った際の費用を歯科医師賠償責任保険で補償することができます。

賠償責任に関する訴訟費用、弁護士費用などの争訟費用

損害賠償金の示談交渉をする場合や裁判になった場合などにかかる弁護士費用の負担も歯科医師賠償責任保険の補償の対象になります。

もし、裁判で負けてしまった場合も裁判にかかった費用が補償されます。

保険会社の要求に伴う所定の協力費用

「協力費用」とは、保険金の額を決めるときなどに保険会社から資料の提出を求められたとき、資料を作成する、集めるための費用をいいます。
この費用がかかってしまった時に補償されるものです。

歯科医師賠償責任保険で補償されないケース

診療中の事故や施設の不備などで起こった事故に対して補償される歯科医師賠償責任保険ですが、保険金が支払われない場合というのはどういうときでしょうか。

歯科医師賠償責任保険は、より多くの事故等をカバーしてくれる保険ですが、次のような場合には保険金が支払われませんので気をつけましょう。

保険金が支払われないケース

・日本国外で行われた医療業務に対する賠償責任
・美容整形等の目的による医療行為で起こった賠償責任
・名誉毀損及び、秘密漏えいによる賠償責任
・保険契約者(歯科医師)の故意
・歯科医師が業務を行う施設、設備、自動車、自転車等、または船舶、航空機の所有、使用または管理に対する賠償責任
・無免許の者が行った医療行為に対する賠償責任等
・医療の結果を保証することで加重された賠償責任

重過失の場合は補償できない

あまりに大きなミスは「重過失」「故意」として見られてしまうこともあり、その場合保険が適用にならない場合があります。

目的が美容整形の場合は賠償の対象外

虫歯の治療などの純粋な医療行為と違い、美容整形手術(歯を美しくしたい場合のホワイトニングや、唇をふっくらさせたい場合にヒアルロン酸を唇に注射するなど)については、一般的な歯科医師賠償責任保険の対象に含まれません。

ただし、一部のホワイトニングや歯科矯正は場合によっては医療行為とされる場合があります。

ホワイトニング

歯科医師賠償責任保険の対象は医療行為であり、美容行為は含まれません。

「見栄えのため」や「単に歯を白くしたいだけ」という場合、賠償責任保険には含まれません。

しかし、「虫歯になりやすい患者に対して予防措置として掃除をする」という場合には医療行為として認められ、保険の対象になります。

ただし、その場合でも虫歯の予防以外の約束をしてしまう(歯がきれいになる等)と美容効果がメインと取られてしまい、歯科医師賠償責任保険の対象に含まれなくなるので気をつけなくてはいけません。

歯科矯正

歯並びを矯正して見栄えを良くするということがメインの目的である場合、美容目的の歯科矯正と見られてしまうので、歯科医師賠償責任保険の対象外になります。

ただし、「歯並びを良くする」目的が「虫歯や歯周病の予防」にあたる場合は、医療行為として歯科医師賠償責任保険の対象になります。

医療事故とその判例

歯科医師賠償責任保険の補償範囲についてご説明してきましたが、実際に起きた歯科医療関係の裁判について、内容と判決を見てみましょう。

例1.説明義務・問診義務

概要

歯列矯正で約3年間、固定式保定装置をつけて動列矯正を行っていた患者が、固定式保定装置を取り外した後、固定式保定装置が装着されていた歯の裏側が虫歯になっていることを発見した。
後日、別の歯科医院を受診し、象牙質まで達するう蝕と一部の歯根膜炎の発症が判明した。

争点

担当歯科医師は、歯科矯正の際、十分にブラッシングを行う必要があるなど、口腔内の衛生管理を患者に指導すべき義務を怠ったか。
訴訟区分 民事訴訟
判決日 平成15年7月判決(東京地裁)
判決 55万円の認容(慰謝料・弁護士費用)

例2.抜歯の手技

概要

患者は右下智歯近辺の痛みを訴えて受診。担当歯科医師はパントモグラフィーなどを行ったうえで、左右上下4本の智歯の抜歯をすすめ、患者も同意した。

担当歯科医師は2回に分け智歯4本を抜歯した。

2か月後、患者が「右下智歯の抜歯後から舌の右側先端部分に麻痺がある」と訴え受診したが、約2年後、「麻痺が治らない」と再度受診した。

担当歯科医師が大学病院を紹介し、治療を受けた。

争点

右下智歯抜歯の際、担当歯科医師の過失により、患者の舌を損傷したか否か。
訴訟区分 民事訴訟
判決日 平成15年9月判決(東京地裁)
判決 棄却

例3.インプラント治療のリスク説明

概要

患者はインプラント治療のために受診。

担当歯科医師は患者にインプラント治療の適応があると判断し、治療計画を立てた。

患者に対し、インプラントの術式等については詳しく説明したが、リスクについては「担当歯科医師の指示に従っていれば成功する」というような印象を与える説明だった。

インプラント治療を開始したが、インプラント体が結合しない不成功のまま、治療は終了した。

インプラント治療中、患者がインプラント体埋入位の痛みを繰り返し訴えたにも関わらず、抗生剤・鎮痛剤等の処方のみで、問診をせず、痛みの原因について診断しなかった。

争点

①インプラント治療の適応を判断する検査・診察が十分だったか
②インプラント治療手技上の過失の有無
③インプラント治療についての説明義務違反の有無
④説明義務違反と患者の苦痛等との間の因果関係
訴訟区分 民事訴訟
判決日 平成15年1月判決(大阪地裁)
判決 619万5000円

歯科医師賠償責任保険への加入方法は?

歯科医師賠償責任保険への加入方法としては

歯科医師賠償責任保険への加入方法

個人的に保険会社等で加入する
勤務する歯科医院を通じて加入する
歯科医師会・学会を通じて加入する

といった方法があります。

歯科医師賠償責任保険は損害保険になりますので、保険を取扱っているのは保険会社や保険代理店です。

一般的な保険ではないので、取り扱っている保険会社が少なく、会社によっては扱っていないところもありますので、窓口などで歯科医師賠償責任保険の取扱いがあるかを確認しましょう。

また歯科医院によっては保険の加入を併せて行なっているところもあります。

求人でその有無を確認できる場合もあるので、心配な方はチェックするようにしてみましょう。

歯科医師会を通じて加入した場合は、保険にかける費用が軽くなる場合もあるようです。

歯科医師会に加入していれば、必ず賠償責任保険を受けられるというわけではないので、手続きや費用などは、所属する団体に確認するのがいいでしょう。

また、歯科保険医協会という団体など、歯科医師の生活・医院経営をサポートするための団体もあります。

取り組みの一部に歯科医師賠償責任保険がある場合もあります。

加入する保険会社によっては保険金や保証内容が違うところもあります。

契約の際にはしっかりと内容を確認しましょう。

まとめ

補償されるケース

・医療ミスによって患者の症状が悪化してしまった場合
・手術ミスによって後遺症が残ってしまった場合
・病院内の設備の不備によって怪我をしてしまった場合

歯科医師賠償責任保険は、歯科医師の備えとして大切な保険です。

補償範囲が広く、損害賠償以外にも、損害を防ぐための費用や裁判の際の費用もカバーしてくれます。

勤務医の場合には医療施設賠償責任保険は加入の必要はありませんが、開業医の場合には医師賠償責任保険とセットで加入の必要があります。

シカカラDr求人では、加入保険なども確認しているので、「歯科医師の賠償責任保険に加入できる歯科医院がいい」などのご希望もご相談ください!

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