歯科医師を目指したときから、夢は独立・開業という方も多いと思います。
しかし、開業するというときにはどんなスキルや経験が必要になるのでしょうか。
今回は勤務医時代に準備や勉強をしておいた方が良いことや開業支援についてご紹介していきます。
目次
独立・開業のために身につけたい6つのスキル
歯科医師として独立・開業をするという大きな目標を叶えるためには、日常の職務の中で開業に活かせるスキルを意識して身につけておくことが重要です。
その中でも特に重要な6つのことをご紹介していきます。
独立・開業のために身につけたい6つのスキル
コミュニケーション能力を磨く
歯科医院を運営していくためのマネジメント能力
お金の管理能力
地域のニーズを掴む力
集客の施策を考える力
他の歯科医師に負けない得意分野をつくる
いざ開業しても、同じ地域に優秀なベテラン歯科医師のいる歯科医院があった場合、自分の医院に特色や強みがなければ、なかなか生き残るのは難しいですよね。
そこで必要なのは他の開業医と違う得意な診療科目を持つことです。
他の歯科医院よりも専門的な診療ができれば、それを必要とする患者さんを確保することができるはずです。
医師法により、歯科医院で看板に書いてもいい診療科目は歯科、小児歯科、歯科口腔外科、矯正歯科の4種類のみとなっています。
しかし今は、この他にホワイトニングなどやインプラント、審美歯科や予防歯科などのより専門性をうたっている歯科クリニックも多く出来ています。
勤務医時代から専門的な知識と技術を持つことで、同じ地域で開業している他の医院と差をつけることができブランディングにつなげられるのです。
コミュニケーション能力を磨く
実際に開業する際に重要なことの一つが、固定の患者さんを確保することですよね。
その際、患者さんから見る「医院長の印象」が医院経営の命運を分けると言っても過言ではありません。
患者さんは歯科医師との最初の挨拶や会話、院長の人となりなどによって歯科医院の印象を決めています。
その医院のイメージが口コミとなって、思っている以上の影響力で地域に波及するのです。
開業しようと考えているのであれば、患者さんに感じよく思ってもらえるよう、勤務医時代から積極的にコミュニケーション能力の向上を図っていきましょう。
また、患者さんへ患部の状況や治療内容をわかりやすく話す、インフォームドコンセントの徹底も今の歯科医院にはなくてはならないものです。
治療内容を正しく伝えるという意味でのコミュニケーション能力も、勤務医時代に身に着けておきたいですね。
歯科医院を開業するということは、当然一つの会社を経営するということと同義です。
あなた自身の技術の向上だけではなく、診療方針を定め、最新の治療方法を取り入れ、歯科助手や、歯科衛生士、事務員をマネジメントしていくことも必要になってきます。
歯科医院を開業するにあたって必要なスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。
歯科医院を運営していくためのマネジメント能力
歯科医師一人で開業することもあるようですが、多くの歯科医院では、運営していくためには歯科助手や歯科衛生士、事務員などの従業員の協力を得る必要があります。
マネジメントしていくには以下のような様々なことを考えなければなりません。
マネジメントの際考えるべきこと
それぞれのキャリアパスやビジョンを汲み取る
給与体系や評価制度を定める
従業員同士の人間関係を円滑にして士気を高める(食事会を開く、ねぎらいの言葉をかけるなど)
企業経営のためのマネジメントについて書かれた本などを参考に勉強するとよいでしょう。
お金の管理能力
経営といえば、存続していくためにお金の管理は不可欠です。
家賃やリース代など、毎月出ていくお金はどれくらいで、何人の患者さんにどのような治療をすれば黒字になるのか、というのは整理しておく必要があるでしょう。
それによって、医院が目指すべき診療方針や人員配置も決まります。
例えば、
メンテナンスの患者さんを中心に診ることで、長期で継続的に通院してもらえるようにするのか
などの選択肢が考えられるでしょう。
勤務医時代に簿記の勉強をするなどして、数字に強くなっておくのも一つの手です。
地域のニーズを掴む力
歯科医院を経営するためには、開業を検討しているエリアの市場調査を行い、ニーズに合った歯科医院の開設をすることで、うまくブランディングすることが大切です。
例えば、開業したい地域に既に開業している歯科医院が、どのような診療科目に力を入れているかを知ることによって、新たにどのような診療に力を入れれば患者さんが来るかを考えることが出来ます。
自分が得意だからといって打ち出した診療でも、地域の他の病院でも同じ診療内容となれば、競争が起き、双方が不利益を被る可能性があります。
そもそも、エリア内の歯科医院数自体が過多となっている恐れもあります。
そうなると、よほど魅力的な診療内容、スタッフの対応がなければ、新たに開業したところで、患者さんが来てくれる見込みは薄いですよね。
このような地域の市場調査は、勤務医時代からどのエリアに出店する場合はどういう医院にすべきか、など情報収集をします。
集客の施策を考える力
いざ、市場調査をし、ニーズのありそうな地域に歯科医院を開業しても、地域の方にそれをうまく伝え、実際に患者さんが来てくれなければ意味がありません。
インターネット上にホームページを開設する、SNSなどで情報の発信をしていく、電車や地域の新聞で広告を出す等の新規顧客開拓の営業努力が必要です。
初めのうちから有効な施策を打っておき、固定の患者さんが来院してくれるようになれば、後は口コミで自然と患者さんが集まってくるはずです。
また、一度来た患者さんに続けて来院してもらえるよう、良い医院のイメージを与え、医院の内装やスタッフの教育にも気を配り、既存顧客を維持することも重要です。
勤務医時代から、集客がうまくいっている医院や、評判の良い医院がどのような新規、既存の患者さんの集客努力をしているのか調べてみましょう。
開業・独立について学ぶ方法
開業・独立のために身につけておくといいスキルなどをご説明してきましたが、学べる場はないのでしょうか?
方法としては、
開業・独立支援のある歯科医院で働きながら学ぶ
というものがあります。
では、具体的にどんなことが学べるのかをご紹介していきます。
企業が開催する開業・独立支援セミナーを受ける
企業の中には、歯科医院の開業・独立のコンサルティングだけではなく、ノウハウをセミナーで教えてくれるところもあります。
企業が開催するセミナーで学べること
資金・融資について
採用・人材育成について
労務について
患者さんの集め方
こういったセミナーは、インターネットで「歯科医院 開業 セミナー」のように検索すれば見つけることができます。
>歯科医師にとってセミナーと勉強会の違いとは?探し方から参加方法まで
開業・独立支援のある歯科医院で働く
また、歯科医院によっては「開業支援・独立支援」があるところもあります。
どのような支援を受けられるかは歯科医院により様々ですが、内容としてはセミナーと同じで、物件・エリアの選び方から、経営の仕方、マネジメントや人材育成などが学べるようです。
理事長・院長の経験を、身近に教わることができる点は、企業の開催するセミナーでは得られないのではないでしょうか。
求人情報に「開業・独立支援あり」と書かれているので、どんなふうに支援を受けられるのかなど、確認してみるといいでしょう。
人材紹介会社を通している場合は、詳しい情報が聞けたり、歯科医院に問い合わせてくれます。
シカカラDr求人でも、どんな支援制度があるのか、詳しく歯科医院に聞いて、情報をお伝えしていますよ。
歯科医師の開業・独立あるある
いざ開業してみたは良いけれど、悩みはつきないものですよね。他の歯科医院の数も大変多い昨今ですから、開業して順風満帆ということは少ないようです。
ここからは、先輩からのアドバイスとして、開業医あるあるをご紹介していきます。
開業してみたはいいけれど、返済と投資が…
まずは資金繰りの問題です。
いざ開業して自由の身、と思いきや、現実は返済に追われる毎日…。
親族の医院を受け継ぐのとは違い、初期コストから必要になるし、家賃に加え、日々進化し続ける歯科医療技術に合わせた各種器具の導入…と常に投資が必要なので、独立したからといって必ずしも潤うわけではないようですね。
患者さんがこない?開業しても予約がなかなか埋まらない
歯科医院過剰供給の昨今、治療技術はもちろんですが、それと同じくらいに運営・経営センスが問われる時代です。
宣伝広報活動、自費診療割合率上昇など、経営者としてうまく医院の舵取りをしていく必要があります。かといって、予約を増やすために休日も開業してガンガン診療、ということになればスタッフの心が離れていくかもしれません。
開業する前に、実際どれくらいの患者さんを呼び込めるのかなどをリサーチしておく必要があります。
まとめ
独立して自分の歯科医院を開業するというのは、大きな目標の一つですよね。
歯科医院を開業するためには、身につけなくてはならないスキルや能力がたくさんあります。
実際に独立・開業をする際には、患者さんに向き合うという歯科医師の本質に集中できるよう、周到に準備をしましょう。
シカカラDr求人では、福利厚生や教育制度についても詳しく歯科医院の情報をお伝えできます。
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