「海外で働いてみたい!」と思っている歯科医師の方はいませんか?
日本だけではなく、海外の技術を学びたい・海外での生活を楽しみたい。
今回は、海外で歯科医師として働くにはどんなことが必要なのかをご紹介していきたいと思います。
目次
日本の歯科医師が働きやすい国は?
「働きやすさ」というと、言語が覚えやすい国や歯科医師免許の取得や手続きが簡単など様々かと思います。
ここでは、「歯科医師の免許取得や書き換えなどの手続き」の難易度に注目して見ていきます。
海外で歯科医師として働くためには、その国の歯科医師免許を取得する必要がある国が多いです。
国によって必要な手続きや受ける試験が異なるので、いくつかの国を例に見ていきましょう。
日本の歯科医師資格と申請手続きがあればOKな国の例
- ドバイ他、アラブ首長国連邦の国
- シンガポール など
ドバイなど、アラブ首長国連邦では、比較的簡単な手続きで海外歯科医師免許を取得できるようです。
ただし、英語での口頭試問などは必要となります。
日本の歯科医師資格と申請手続き+試験が必要な国の例
- オーストラリア
- イギリス
- EU など
オーストラリアでは、適正診査や言語能力、筆記・実技試験を受けた上で書き換えが可能になっています。
イギリスではイギリス外の資格の場合、ORE(Overseas Registration Examination)を受験し、GDC(General Dental Council)に登録する必要があります。
EUは国により手続きが異なる場合があり、審査の厳しさも国により様々です。
後程詳しくご紹介しますが、スウェーデンの場合、現地の大学への入学が必要になる場合もあるようです。
現地の歯科医師資格が必要な国の例
- アメリカ など
アメリカの場合、4年制大学に入学もしくは編入し、試験を受け、さらに働きたい州の国家試験を受ける必要があります。
ここでご紹介する中では、資格の取得に時間やお金もかかり、一番大変かもしれません。
では、続いて、具体的な免許の取得方法を国別に見ていきましょう。
各国ごとに違う免許の取得方法
海外で歯科医師として働くには、「新たに資格を取得しなくてはならない国」や「日本の歯科医師免許で診療ができるがその他に必要な資格がある」場合もあります。
最新の情報を得るためには、活躍したい国の大使館へ問い合わせることが確実ですね。
一例として海外で歯科医師として働くための資格取得の方法を、前述した国の中からいくつか詳しくご説明していきます。
オーストラリアの場合
日本人がオーストラリアで歯科医師として働く場合、日本で歯科医師の免許を取得し、現在資格を保持していること、また4年制大学以上の卒業資格があることが前提条件になります。
前提条件が揃っていれば、Australian Dental Council (ADC)が実施する、免許書き換えを受けることができます。
免許の書き換えに必要なこと
・英語力証明審査
・筆記試験
・実技試験
・書き換えの費用:約9,000AUD
いずれにせよ、英語力の獲得が必須です。
手続き・費用は変更される可能性があるので、申請時には最新情報をAustralian Dental Council (ADC)のホームページよりご確認ください。
アメリカの場合
アメリカの場合は、日本の歯科医師の免許を取得したらどこでも働けるというわけにはいかず、アメリカの歯科医師免許を取得する必要があります。
・NBDE(National Board Dental Examination PartⅠ,Ⅱ)の合格
・働く州ごとの試験の合格
以上を満たさなければ、歯科医師としての資格が得られません。
NBDEは、日本国内では受験することができないので、アメリカに渡航して受験する必要があります。
受験料:日本円で約5万円
こちらも、手続き・費用は変更される可能性があるので、申請時にはNBDEの運営機関JCNDEより、最新情報をご確認ください。
EUの場合
EU各国でも現地の歯科医師の資格取得が必要となります。
ただし、EU内の各国どこかで歯科医師免許を取得すれば、その免許はEU内ならどこでも通用する大きなメリットがあります。
ここではスウェーデンでの免許取得の方法をご紹介します。
ステップ1
自分が受けた教育がスウェーデンで通用するものなのかをスウェーデンの厚生労働省的機関であるSocialstyrelsen(Sos)にチェックしてもらいます。
提出書類
・大学の授業内容、何年教育を受けたかの証明
・Sosの質問用紙
・Personbevis(財務省でもらう証明書)または、身分証明書
上記のもので、オリジナルの言葉と英語での提出が必要になります。
原本をコピーしてもらいVidimeringといって第三者に署名してもらいます。
ステップ2
教育が認められた場合は、スウェーデンの免許を取得するのに不足しているものを「補完」という形で免許を取得できます。
補完…国家試験を受けるもしくは指定大学の補完コースに1年通う
認められなかった場合は、スウェーデンの大学に入りなおして勉強する必要があります。
EU圏内で歯科医師資格を取得した場合は、EUのどの国でも通用しますが、スウェーデン以外のEUの国で資格を取得した場合にスウェーデンで働くためには、資格を取得した国で3年以上働いている必要があります。
シンガポールの場合
シンガポールの場合は、国策として日本の歯科医師免が「書き換え」という形で適用されるケースがあります。
これは、医師免許互換制度というものを利用する形になります。
ただし、医師免許互換制度を利用した場合は条件付きになります。
医師免許互換制度を利用した場合の条件
・2年おきに更新76時間の講習が必要
・GP登録(一般的な歯科医師)でオペはできない
申請窓口はSingapore Dental Council(SDC)の管轄になりますので、注意しましょう。
また、シンガポールでは、政府の取り組みにより日本人の歯科医師に与えられる免許が15名に限られていますので、場合によっては即時書き換えができず順番待ちになるケースもあります。
海外で働くために準備すること
海外で歯科医師として働くための資格の取得方法などについて詳しくご説明してきましたが、その中にも「言語の取得」や「言語能力の試験」などがあったと思います。
また、その地で働くということは、歯科医師の資格の他に就労ビザの取得なども必要になります。
ここでは、歯科医師資格以外の、海外で働くために準備しておくことをご紹介します。
現地の言語の習得
歯科医師が海外で働くにはまずその国の言葉を話せなくてはなりません。
海外に住む日本人向けに診療する日本人歯科医師もいますが、それでも日常での生活や、歯科医師の免許取得にその国の言葉を話す必要があります。
海外の患者様を治療するのであれば、歯科医師は患者様と直接対話して治療を進める必要があります。
細かな治療の説明や、今後の診療方針を現地の言葉で会話できなければ伝わりません。
そのため、出国前には現地の言葉を習得することが必要です。
ちなみにインドやフランスなどのように、日本人通訳が診療に立ち会うサポート体制ができている国もあります。
しかし、現地スタッフのサポートを受ける事ができるとしても、患者様と直接会話をすることで、信頼感も得られるので、日常会話以上に、現地の言語での会話スキルを磨いておいて損にはならないでしょう。
ただし、日本での学習では限界もありますよね。
オーストラリアはワーキングホリデーなどの留学の機会も盛んにあります。
語学留学で英語力アップも一つの手として考えましょう。
就労ビザの取得・グリーンカード取得
ビザは国によって取得方法が異なります。ここでは、アメリカを例にご説明します。
アメリカの就労ビザの申請
ステップ1 |
H1Bビザ(就労ビザ)でアメリカで働くことは可能ですが、最大で6年間しか働くことができません。
一時的にアメリカで経験を積みたい方は就労ビザでもいいですが、長くアメリカで活躍したいという方は永住権を獲得する必要が出てきます。
アメリカ永住権のことをグリーンカードと言います。
グリーンカード取得は簡単にはいかず、申請の手間や、ビザと違って多額の費用もかかります。また、グリーンカード申請者の約95%が弁護士を通すようなのでプラス弁護士費用も必要と思われます。
抽選永住権という抽選で決めるものもあり、こちらは比較的費用を抑えることも可能といえますが、抽選なので確実に取得できるとは限りません。
出国手続き
海外で働く場合、雇用主が海外事業主のもとでの勤務なのか、日本法人など、日本から出向という形になるのかなど、勤務形態によって出国の手続きが変わります。
詳しくは入国管理局のHPにて出入国審査手続をご確認ください。
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海外で働きたい場合、海外就職コミュニティーへの登録、人材派遣会社に登録を行う、または海外勤務の知人に紹介をしてもらうなどのやり方があります。
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・インプラントあり
・月給35万円~(最低保障あり)
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実際に、海外の求人へのご紹介実績もありますし、中には現地にコーディネーターがいて通訳をしてくれるようなところもありますよ。
まとめ
歯科医師として海外で働くための資格取得や、必要な準備についてご紹介いたしました。
現地での言語能力や、現地の資格試験が必要であったり、いざ働くためには就労ビザや永住権の取得と、準備は大変かもしれません。
しかし、歯科医院によっては、手続きの説明を丁寧にしてくださるところもあるので、ご応募の際にご入職までの準備なども確認しておくと安心でしょう。
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