歯科衛生士インタビュー

何度も辞めようと思った歯科衛生士の仕事が自分の好きなことになった。フリーランス歯科衛生士のキャリアライフ。

投稿日:2019年6月27日 更新日:

■プロフィール
我妻 美夕紀(あづま みゆき) さん
歯科衛生士歴:15年
卒業校:東北歯科専門学校
歯科医院の経験数:2軒 現在非常勤4軒
保有資格:
・日本歯周病学会認定歯科衛生士
・IHTA認定 ヨガインストラクター2級
・表千家茶道講師

6年程前から歯科衛生士として働きながら、歯科予防啓蒙活動の一環として、一般向けにワークショップを行う。3年前から歯科衛生士向けの研修講師を始め、フリーランス歯科衛生士になってから約1年になる。

「たくさん失敗して歯科衛生士を辞めたいと何度も思ったことがありました」

そう語るのは、歯科衛生士歴が15年あり、臨床の現場で働きながらも、スタッフ教育、セミナー講師など、全国各地で歯科衛生士の活動をサポートしている我妻 美夕紀さん。

シカカラでもお悩み相談室の相談員として悩める歯科衛生士さんにアドバイスをいただいています。

我妻さんに『フリーランス歯科衛生士になるまで』と『仕事で大切にしていること』を伺いました。

「歯科衛生士を辞めたい」湧き上がる気持ちを変えたもの

 

ー歯科衛生士になったきっかけを教えてください

高校生の進路を決めるときに、学校にある職業紹介の本で初めて歯科衛生士という仕事を知ったのがきっかけです。なにより国家資格であることや合格率、就職率が100%に近いという所に惹かれて歯科衛生士になりました。

ー離職率の高い職業ですが、歯科衛生士を辞めたいと思ったことはありますか?

もともとモチベーションが低い状態で歯科衛生士になることを選んだこともあって、山ほどあります。

物覚えが良いほうでないですし、手先も器用ではなかったので、歯科衛生士の学生のときは、一発で実技試験に合格できないことがたくさんありました。

就職してからも、たくさん失敗を経験して、辞めたいなって思うことが結構ありましたね。

歯科衛生士として1年くらい経ってからは、できることが増えて、仕事が楽しい時期もありましたが、3年程でマンネリ化してしまい、普通のOLに憧れた時期がありました。

ー入職してすぐに辞めたいと思われたとのことですが、どうして続けられたのですか?

短期間で辞めてしまうことに引け目を感じていましたし、辛くても続ける根性がもともとあるのかもしれません。

あとは、辞めた後に、もっと良い自分になれるイメージがあったら、辞めていたのかもしれませんが、良いイメージがなかったので続けられたのかもしれませんね。

ーマンネリ化してしまい、辞めたいと思われたときは、どのように解消されたのですか?

自分は何がやりたいのか、どうなりたいのか、とことん自分探しをしました。
また、他の職業や学校に行くことも考えたりしました。

当時は地元の福島県にいたこともあり、高卒という形になってしまうと、全然良い仕事がなかったんです。学校に行っても、年齢が周りより少し上になってしまうことにハードルが高く感じてしまいました。

そういうことを考えていたら、「歯科衛生士でもっと別の働き方があるんじゃないか」と考えるようになったんです。

情報収集のために、歯科衛生士専用の雑誌を読んでいたら、歯科衛生士さんのさまざまな働き方が載っていて色々な方がいるんだなと思いました。

そこで初めてフリーランスという働き方を知りましたし、自分だったら「どの歯科衛生士さんの働き方が合っているかな?」と考えるようになりました。

また、患者さんの症例がたくさん載っていて、自分が診ている患者さんとはまったく違う結果がでていて、学ぶことが多くありました。

学生時代は、歯を見たことも触れたこともないので、ただ暗記するだけでしたが、臨床を経験してからの勉強って理解しやすいんです。

それが楽しかったんですよね。学生のときにわからなかったことが今ならわかると思って。家に帰ってから自主的に勉強するようになりました。

ー自分探しをしているときに出会った本がきっかけで歯科衛生士の仕事に再び興味を持たれたんですね。

そうですね。自主的に勉強をしていると、周りから見ても変化がわかるようで、院長先生から「東京でやっているセミナーがあるから行ってみないか?」と声をかけていただきました。

そこで初めて歯周基本治療の本当の流れを学んだり、シャープニングの正しいやり方やコツを教わりました。

歯科衛生士歴が4年近く経っていたので、基本的にはなんでもできると思い込んでいたことが、実は全然できていなかったんだと気づいたんです。

歯科衛生士をいちから勉強し直したいと思い、上京することを決めました。

歯科衛生士として再出発

 

ーフリーランスになったきっかけを教えてください

フリーランスを目指してなったわけではないです。
きっかけとしては、講師の仕事が多くなってきて、業務の両立が辛くなってきたんですよね。

講師の仕事もとても好きだったので、講師の仕事の割合を増やしていきたいなという思いもあり、働き方を変えないと両立できないのでフリーランスという働き方を選びました。

ー 一般の方向けにワークショップを開こうと思ったのはなぜですか?

歯科医院に来院される患者さんはある程度、虫歯や歯周病が進行されてから、いらっしゃるので、「もっと早く正しい歯磨きの仕方や予防策を知ってもらえたら」と思いました。

そこで、予防を意識していない人達に、予防歯科を伝えたいと思い、ワークショップや本を出版しました。

ー講師のお仕事を始めたきっかけを教えてください。

本を出版して一般の方向けのワークショップを自分で開催しているうちに、コミュニティがどんどん広がっていき、セミナーの講師を探している方と出会い、講師の仕事をはじめるようになりました。

相手のためになることを本気で考えていれば気持ちは伝わる

 

ー患者さんに対して大切にしていることはありますか?

自分が患者さんだったらどんなことを思うのか感じるために、前職では、半年に一度メンテナンスを兼ねてスタッフ同士で技術確認をしていました。

実際にメンテナンスを受けると、「ここが当たると痛い」「このタイミングでうがいしたい」「唇が乾燥するな」など色々感じるんですよね。

自分が施術する時は、患者さんになるべく不快な思いをさせないよう、その意識や感覚を忘れず、提供するようにしています。

またTBI(ブラッシング指導)の場合は、「これが正しいからこうしてください」とマニュアル通りの指導をするのではなく、ひとりの人として接することを意識していました。

例えば、患者さんの生活背景や性格などを考えて、患者さんが取り組みやすいように伝えたり
その方の口腔環境を良くするためには、どうしたらいいのか考えて、「患者さんと一緒につくっていく」という意識を大切にしています。

このままでは本当に危険だなと思ったら感情で伝えることもありますね。真剣にひとりの方と向き合っていたら、ちゃんと伝わると思います。

ー教える立場で大切にしていることを教えてください。

「わかりやすいこと」「褒めること」「一緒に喜ぶこと」を指導する立場として意識しています。

教えていることがちゃんと伝わらないと意味がないので、とにかく”わかりやすさ”を大事にしています。
また少しでもできるようになったら認めて褒める、できていない所は具体的にどこができていないか伝える。
その繰り返しを丁寧に行うことが大事だと考えています。

他にも、教えている衛生士さんが何か良くなったり、できるようになった時に、成長が嬉しいので、「一緒に喜ぶ」。そういう気持ちも大切にしたいと思っています。

やりたいことで生きていくために「自分なりの歯科衛生士」を見つける

 

ー歯科衛生士さんに伝えたいことはありますか?

『歯科衛生士』は本当に素敵なお仕事なので、誇りと自信をもってほしいと思います。
私も初めはそういうものはなかったんですけど、ずっと続けていくなかで歯科衛生士って凄いなと思うことがたくさんありました。

一番は予防ができるということ。
予防ができる職種ってほとんどないですよね。ドクターは治す仕事ですが、歯科衛生士はお口の中を健康に保つことによって、全身疾患の予防ができるので、本当に凄い仕事だと感じて働いてほしいです。

あと、歯科衛生士という役割にとらわれずに視野を広くもってほしいなと思います。
私自身がそうだったんですけど、歯科衛生士という中に自分があるって考えると、枠にはめられている感じがして、歯科衛生士しかできないと思う部分がありました。

そうではなくて、自分という中に歯科衛生士がある、そう考えるとできることが無限にあるなって思うんですね。

私は伝えることや教えることがもともと好きだったので、そこに歯科衛生士の知識や技術、経験を組み合わせて、今はお仕事が成り立っている状態だと思っています。

なので、自分の好きなことやできることを組み合わせて『自分なりの歯科衛生士』を見つけると、できることが広がって楽しいと思います。

ー今後やっていきたいことは何ですか?

まだ歯科衛生士を目指していない人たちに、歯科衛生士の魅力を伝えて、色んな選択肢がある中に『歯科衛生士』という職業の選択肢を入れていきたいなと思っています。

また企業で働く人に予防の大切さを伝えていったり、歯科に興味がない人にも興味をもってもらえるような取り組みをしていきたいなと思っています。

編集後記 八木

「ものの見方を変える」と可能性は無限にある。
新しい何かを始めようとするとき、できない理由を探してしまったり、自分を過小評価してしまい、なかなか次の一歩を踏み出せないことがありますよね。

また、やりたいことだけをやるということも、周りにその価値が認められないと仕事にならず、趣味程度でとどめておいた方が良いこともあります。

「価値を提供できること」×「自分がやりたいこと」の組み合わせで仕事をしていく。
我妻さんの生き方がとても素敵だなと思いました。

文章だけでは伝えきれないのが申し訳ないぐらい素敵な方なので、我妻さんのセミナーやワークショップにぜひ参加してみてください。
歯科衛生士としての仕事の新たな魅力を発見できると思います。

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