遠心のスケーリングでしっかり汚れをとるには、どうしたらいいですか?
超音波スケーラーから手用スケーラーという流れでスケーリングをしています。
近心の汚れは取れるのですが、全顎で遠心のみ、縁上歯石もプラークも残ってしまいます。
どうしたらしっかり汚れが取れるようになりますか?
また、患者さんによってはうまく水を吸えないので、よく苦しいと注意されます。
どうしたらよいでしょうか。
ミラーの活用と顎模型での練習をすると良いでしょう。
まず、超音波スケーラーは、縁上プラークを落とす道具ではありません。
縁上プラークは、手用スケーラー、歯ブラシ、ラバーカップなどで除去するようにしましょう。
一般的にも、取り残しが多いのは、圧倒的に遠心です。
近心は目視しやすいけれど、遠心は見えないので、当然の結果かと思います。
特に小臼歯以降は目視しづらく、取り残しが多くなりがちです。
では、遠心の取り残しを少なくする方法をご説明します。
ポイント
- ミラーで確認しながら行う
- 顎模型などを使って、スケーラーの当て方を練習する
超音波スケーラーを用いる場合、水を出さずに当てる練習だけでもしてみましょう。
ミラーで確認しながら行う場合、超音波スケーラーを使用し、バキュームを持ちながらでは困難です。
超音波スケーラーを使用する際は、以下のやり方で実施しましょう。
- ミラーで確認し、スケーラーの角度を決めて、ミラーをバキュームに持ち替えてからフッドペダルを踏む
- 手が空いてる人にバキュームについてもらう
- 排唾管を使用する
慣れてくると、『この角度で当てると落ちる』というのが身に付いてきます。
まずは一度、模型上で角度の確認をしてみるのが良いかと思います。
うまく水が吸えないことに関しては以下を行うと良いでしょう。
- バキュームテクニックを学ぶ
- 排唾管で対応する
また、超音波スケーラーの使用目的も今一度確認してみましょう。
決して、すべての患者さんに、全顎的に当てるものではありません。
『限定的に使用するもの』なのだと理解できると、楽になるかと思います。
超音波が苦手、水が溜められない、などの患者さんには手用スケーラーのみを使用して、洗浄にはシリンジを使用するなど、超音波を一切使わずに行う方法もあります。
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