この記事を読んでいる歯科衛生士さんの中で、これから就職しようとしている方や「転職しよう...!」と思っている方、あるいは転職をしたことがある方はいらっしゃいますか?
そんな方に質問です!
転職活動をするとき、どうやって求人情報を探しますか?
就職や転職を考える歯科衛生士さんの中には、ハローワークで求人を探す方もいると思います。
ハローワーク以外にも採用サイトや知人の紹介、学生時代に学校で公開される求人票を見たことがあるかと思います。
「何が違うの?」と思っている方もいらっしゃると思います。
ハローワークの求人票と学校の求人票では、お給料の表記の仕方が違う場合があったり、情報量に差があったりします。
ハローワークの求人票で歯科衛生士のお給料をチェックしよう
求人票を条件や給料の金額だけ見て決めていませんか?
ハローワークの求人票には、お給料の内訳などが詳しく書かれています。
ちゃんと、お給料の仕組みを知って、正しく求人票を見られるようにしましょう!
ハローワークプラザ〇〇や、職業相談室、しごとセンターなど、様々な呼び名で各地にあります。
ハローワークは地域の求人に強いと言われていますが、さまざまな企業・職業の求人が集まっています。
そのため、ハローワークの職員の方は、各求人の募集先企業、医院などについてはあまり詳しくない可能性があります。
面接対策や仕事探しの相談には乗ってもらえますが、自分できちんと求人票の情報を読み取れるようになっておくことも大切です。
ハローワークの求人票でわかること
▼これがハローワークの求人票です。
求人票には、以下の6つの項目を明示することが決まりとなっています。
- 労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
- 労働契約の期間に関する事項
- 就業の場所に関する事項
- 始業、終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
- 賃金の額に関する事項
- 健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用に関する事項
分かりやすく言うと、仕事内容、契約期間、勤務場所、労働時間、お給料・手当、保険に関することが書かれている歯科医院の情報です。
ここではハローワークの求人票をもとに、記載されている給与について詳しく説明していきます。
ハローワークの歯科衛生士求人の給与欄の見方!給料と手取り額の違いに注意!
多くの求人票のお給料の欄には【a基本給+b手当】のように記載されています。合わせた額が総支給額と言って、お給料の「総支給額」になります。
【a+b】=総支給額
a 基本給…毎月決まって支払われる基本の賃金です。
b 手当…各種手当のことをいいます。
歯科衛生士さんの場合は
- 歯科衛生士手当(資格手当)
- 精勤手当(皆勤手当)
- 時間外手当(残業手当)
が主に記載されている手当だと思います。
この記載されている「総支給額」がお給料としてもらえる!と思っている方も多いと思いますが、違います!!
「総支給額」から「控除」が天引きされて(差し引きされて)お給料として支払われるのです。
総支給額は【額面】とも言われていて、実際に支払われるお給料は【手取り】と言われています。
【総支給額(額面)】ー【控除】=【手取り】
このように、お給料の仕組みを知らなければ
「求人票に記載されている金額そのままが支給されると思って入社したけど、思ったよりお給料が少なくてびっくり!」
なんてこともあります。
なんてことも...。
お給料から引かれる「控除」の内容
控除とは、金額を差し引きすることをいいます。
ここでは給料の総支給額から天引きされる控除について説明しますね。
給料から天引きされる控除は以下のような項目があります。
厚生年金
対象の人:雇用形態や労働時間による歯科医院と雇用者で半額ずつ負担します。
健康保険
対象の人:歯科医院ごとに異なる歯科医院の場合「協会けんぽ」もしくは「歯科医師国保」のどちらかに加入しています。
(東京都のみ「東京都歯科医師健保組合」もあります)
協会けんぽは歯科医院と雇用者で半額負担、歯科医師国保は従業員負担です。
※協会けんぽと歯科医師国保で保険料が異なります。
雇用保険
対象の人:週20時間以上働く人所得税
対象の人:年収による年末調整や確定申告で1年の税額が算出され、払いすぎていた場合は後日返金があります。
住民税
対象の人:年収による介護保険
対象の人:40~64歳の人歯科医院によっては積立金としていくらか天引きされている場合があります。
正社員かパートかによっても控除の内容が変化します!
それぞれの保険によって加入条件が違ったり、年収によって決まるものもあることがわかっていただけたかと思います。
パート勤務をする人の中には旦那さんの扶養範囲内で働く方もいると思います。その場合は年収も関わってくるので、確認しておくことが大切です。
人によって控除されるもの、金額は異なるので、自分の加入する保険などは理解しておくといいでしょう。
- 歯科医院によって加入している保険が違う
- 雇用形態(正社員かパートか)によって加入する保険が変わる
- 年収によって控除額が変わる
- パートとして扶養の範囲で働く場合は年収によって加入する保険や控除額が変わる
このように、求人票に書いてあるお給料がそのままもらえるわけではありません。
求人票を見ただけではどれくらい控除があるのかわからないので、自分はどの保険に入るのか、正社員なのか、パートなのか等を確認しておきましょう。
まとめ
- 手当の書き方や内容は歯科医院によって違う
- 総支給額から保険料・税金が引かれたものが「手取りのお給料」としてGETできる
- 雇用形態や労働時間、年収によって控除の内容がかわる
ハローワークの求人票の場合、記載されている給料の金額は総支給額や各種手当のみなので、求人票の給与欄を見ただけでは単純に判断できないことがわかりましたね。
実際にいくらくらいもらえるのか知るためには、自分がどの保険に加入しているのか等も確認してから計算してみましょう。
求人票や求人情報を見たときは「手取り額」だけではなく「年収」がどれくらいになるのかを考えてみるといいでしょう。
(監修: 永島社労士事務所 永島篤史先生)
今回は歯科衛生士のハローワーク求人票の見方についての記事でした。
次回も皆さんのお役に立てる情報などを記事にしていきますので、お楽しみに!