歯科衛生士として復帰したいけど、ブランクがあるからついていけるか怖くてできない...という悩みはありませんか?
- ブランクがあるから大変かもしれない...
- 知識や技術にも自信がないし、就職先が見つかるか不安…
- ブランクを埋めるための勉強もしつつ家庭と仕事を両立できるか心配...
子育てが落ち着いて、復帰しようと思ったら30代後半、40代…
資格はあるけど、臨床から離れすぎて復帰するのが怖い、勉強したことも忘れてしまっている…という方もいらっしゃると思います。
目次
ブランクなんて怖くない!復職を成功させるための準備
復職を考えた時、まずはじめにどのような準備をしておくとよいでしょうか?
特に重要な「環境作り」と「働き方選び」の2つのポイントに絞って見ていきましょう。
復職できる環境作り
復職するための環境作りは、ブランクが大きいほど重要になってきます。
復職後の生活をイメージしながら「どんな歯科医院なら働きやすいか?」を考えることで、プライベートと仕事の両立が上手くいかないなどのミスマッチを防ぐことができます。
特に、専業主婦をしていた方は、今まで通りに家事や育児をこなすことが難しい場合がありますよね。
いろいろな場合を想定して、家族で話し合っておきましょう。
環境に合わせた働き方選び
出産や育児からの復職か他職種からの復職か、復職してどの程度働きたいのかによって働き方(雇用形態)が異なります。
ではブランクがある場合、正社員とパートではどちらが復職しやすいと思いますか?
それぞれの特徴をまとめたので見ていきましょう。
正社員の場合
他職種から歯科衛生士に戻って正社員として働きたい方や短期間だけ休職していた等のブランクが短い方は、正社員での復職を目指す方が多いようです。
正社員は、先輩から指導を受けたり研修に参加する時間も多く、早く仕事に慣れることができるというメリットがあります。
子育てをしながら、または子育てが落ち着いたから正社員で働きたいという場合は、同じように家庭と両立しながら働いているスタッフがいる職場を選ぶとよいでしょう。
歯科医院自体が家庭と仕事の両立に理解があると言えますし、同じ環境の方がいるのはとても心強いです。
パート・アルバイトの場合
パートやアルバイトは、ブランクが長く少しずつ仕事に慣れていきたい方や、子育て中で働ける時間が限られている方におすすめです。
まず、勤務時間や勤務する曜日に融通がきくというメリットがあります。
ただし、お給料面では賞与が支給されないことが多いので理解しておきましょう。
また、歯科医院は昼の休憩時間が長いため、拘束時間の割には実稼働時間が少なくなってしまう場合があります。
パートやアルバイトの場合でも、同じように家庭と両立しながら働いている方がいる職場なら、理解があり働きやすいでしょう。
以前の職場or新しい職場?復職先選びのメリット・デメリットを解説
復職する際に多くの人が悩むのが「どのような職場に就職するか」という問題です。
まず、復職する場として、以前の職場に復帰させてもらうか、新しく求人を探して復職するかの2つの選択肢が考えられます。
どちらが良いのかは状況にもよりますので、それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
以前の職場に復帰する場合
育休産休明けの方や、人間関係または仕事内容が嫌になって辞めた方でなければ、もともと働いていた職場に復職するという方もいらっしゃるでしょう。
メリット
①人間関係を一から築かなくていい
気が知れている院長やスタッフが多く、新しく関係性を築く必要が少ないため、仕事の感覚を取り戻すことに集中できます。
②仕事内容を理解している
任せられる業務が予防中心なのか、アシストがメインなのか、外科が多いのかなどを予測できるため、ギャップを感じることなく働きはじめることができます。
③求人を探す必要がない
限られた条件の中で職探しをする場合は長期間にわたることがありますが、元の職場に復職するのであれば就活に時間を費やす必要がありません。
デメリット
①院長やスタッフに対して、退職・休職した申し訳なさを感じる
産休育休明けで子育てがある方や介護がある方など、働く時間に制限がある場合は引継ぎをおこなって退勤する場面が少なからずあります。
そんな時、院長やスタッフに対して申し訳ない気持ちになることがあるかもしれません。
②人手不足の場合、希望通りの勤務にならない可能性がある
元々働いていた医院が人手不足だった場合、スケーリングやオペの補助を頼まれ希望の時間に帰れないなんてこともあります。
また、スタッフの入れ替わりがあったり、医院方針が変わっていたりと必ずしも退職前と同じ環境とは限りません。
別の歯科医院に就職する場合
元の歯科医院に戻らず、まったく新しい医院で復職する場合には、どのようなメリットとデメリットが考えられるでしょうか?
メリット
①新しい職場のため、現在の事情を理解してもらいやすい
育児や家事、介護など家庭の事情やブランクがあることを理解したうえで採用されているため、急に帰らなくなってしまった場合など、院長やスタッフが理解を示してくれることが多いです。
②新しい人達に出会える
今まで不遇な待遇を受けていた人も、新しく人間関係を築くことができます。
デメリット
①一から人間関係を築かないといけない
新しい環境なので先入観なく接してもらうことができる反面、人間関係を築くのに時間がかかる可能性があります。わからないことを聞きやすい場合もあれば、人間関係が出来あがらないうちは質問しにくく感じる場合もあるでしょう。
また、技術を取り戻す以前に、物の収納場所などから覚えていかないといけません。
②求人を探さなければならない
条件を絞りすぎると「なかなか希望通りの求人が見つからない…」なんてことも。
また、入職後のミスマッチなどにより、就活が長期化することもあります。
次は、実際に復職するとなった場合、どのような職場が働きやすいのかを見ていきましょう。
復職してから働きやすいのは一般歯科や訪問歯科?
一般歯科の場合、歯科医師のアシスト業務から少しずつ予防業務を任せるところが多いため、ブランクがあっても仕事に慣れていきやすいです。
教育カリキュラムやマニュアルがある歯科医院や、スタッフ人数が多いところに就職するとフォローをしてもらえることが多く、安心して働きはじめることができます。
また、高齢化社会に伴い、近年需要が高まっている訪問歯科でもブランクから復職する歯科衛生士が増えてきています。
患者さんやそのご家族と上手くコミュニケーションを取れる力や、様々な角度から物事を見られる広い視野が求められる現場で、子育てや介護、他の仕事で培った経験を活かしたい方におすすめです。
訪問歯科診療を専門的にしている法人や企業では、 歯科衛生士の復職支援やセミナーを頻繁におこなっているので、訪問歯科での復職を検討している方はぜひチェックしておきましょう。
それを自身のアピールポイントにしてみるのも良いかもしれません。
続いて、面接時の注意点をみていきましょう。
ブランクがある場合の面接のポイント
まず、どのくらいの期間やどのような理由でブランクがあるのか、説明できるようにしておきましょう。
不安を抱えながらやっと歯科衛生士として再就職したのに先生やスタッフから「こんなこともできないの?」と言われてしまうと、心が折れてしまいそうですよね。
そうならないために、見学や面接の段階でしっかりと「自分にはブランクがありますが、大丈夫ですか?」と確認することが大切です。
また、一から学ぶ気持ちがあるという柔軟さや、早く仕事を覚えていきたいという前向きさ、仕事を離れていたときに経験したことなどを伝えておくと好印象を与えることができます。
キャリアアドバイザーからの面接アドバイス
「自分にはブランクがあるから、なにもできません」という意識ではなく、
「ブランクがあるけど、業務を見てやっていくことで思い出し、以前よりスキルアップしていこう!」という前向きな気持ちを持ちましょう。
また、「働いていく中でわからないことに関しては、積極的に学んでいきます!」という姿勢があれば歯科医院にとっても好印象です。
育休から復帰した歯科衛生士の面接体験談
実際にブランクがありながら復職ができた歯科衛生士さんは、どのようなことに気を付けていたのでしょうか?
子育てをしながら復職した方、他のお仕事も経験された方など、お話を聞いてみました!
5歳になる子どもがいて、ブランクが5年ありました。
院長先生がブランクや子育てに理解のある方だったので、働く時間などもご理解いただけ助かりました。
現在も、院長やスタッフさんにご協力いただきながら、子育てと両立して楽しく働いています。
面接で気を付けたのはアピールですね。
「歯科衛生士業務が好きでずっと続けたいと思っています」
「5年間ブランクがありますが、即戦力になれるように努力します」
と、ブランクはあっても前向きな姿勢が伝わるような内容に気を付けていました。
ケース②ブランク11年 40代前半
歯科衛生士を一度辞めた後は、別の仕事にもいくつか就きました。
その経験を活かして、また歯科衛生士としてやり直したいと思い復職を決めました。
外来と訪問どちらも診療している歯科医院をご紹介いただきましたが、ブランクを考慮して、訪問歯科から勤務を始めることになりました。
そこから慣れてきたら、外来と訪問をどちらも兼務するという内容での採用です。
面接時のアピールでは
「ブランクがあるため今すぐ戦力にはなれないですが、頑張ります」
「色々と経験を積んできているため、コミュニケーションには自信があり、御院で活かしたいです」
と、歯科衛生士の仕事をしていなかった間のことも活かせるよう頑張りたいという思いを話していました。
ブランクに引け目を感じず、その経験を活かし意欲を伝えることが大切ですよ!
ブランクの怖さを解消する方法・セミナーをご紹介
多くのライフイベントで歯科衛生士の業務から離れていると、いろいろな不安が出てきますよね。
- 就職先はあるのかな?
- 最新の器具を扱ったことがないかもしれない...
このような不安を抱えているあなたのために、ブランクに対する不安とその解消方法についてご紹介していきます!
そもそも採用されるか不安
歯科衛生士向けの求人を見ていると「ブランクあっても大丈夫!」と書いてあるものをよく見かけます。
これは、歯科衛生士さんの男女比は女性の割合が9割を占めており、結婚・出産・介護などのライフイベントで職場を離れることがとても多いからです。
中でも「ブランクOK」「教育制度あり」などが記載された歯科医院は、教育制度や教育マニュアルが整っており、仕事に復帰しやすい環境作りがされています。
自分の技術が通用するか不安
現場から離れていていざ復職しよう!と思っても、今の自分の技術が現場で通用するか不安になりますよね。
そんな方は、歯科助手として現場復帰して、徐々に歯科衛生士の仕事に移行していきたい旨を医院に相談してみてはいかがでしょうか。
ブランクを解消するには、現場に出て実際に仕事の流れを把握することが一番です。
まずは、歯科助手の業務で医院の環境に慣れて仕事の流れをつかみ、少しずつ歯科衛生士の仕事に移るとスムーズに復帰できると思います。
最新の器具が扱えるか不安
最新の器具を扱うことができるか不安な方も多いと思います。
そんな時は、復職支援のセミナーへ通うことをおすすめします。
主なセミナー内容
- 歯科の基礎知識や最新の材料の講義
- アシスト業務・スケーリングなどの実習
復職支援セミナーでは、上記のようなセミナーも行っていて、最新の器具の使い方なども丁寧に説明してくれるので、器具の扱いが不安な方も再度勉強することができます。
また、中には復職するための心構えやモチベーションを高めるための講義もあります。
知識や技術面だけでなく、メンタル面も手厚くサポートしてくれるほか、就職先につながる歯科医院の紹介をしてくれる場合もありますよ。
復職セミナーの期間
研修期間
歯科医師会や歯科衛生士会のセミナーは、1~5日間のコースや、自分で参加したいセミナーを1日選び、受講するものが多いです。
学校や民間企業がおこなっているセミナーは、数日の短期間のセミナーもあれば、1~3ヶ月間の長期コースのものもあります。
開催日時
セミナーの開催は、年間を通して行われています。
コース単位でセミナーをおこなっているところは、開催期間が限られていますので、余裕を持って半年~1年程前から調べておくとよいでしょう。
復職セミナーの費用
無料で参加することができるものも多いです。
参加費がかかる場合、数千円から1万円程度のセミナーが多く見られます。
復職支援のセミナーの探し方
各都道府県ごとの歯科医師会や歯科衛生士会のHPをみて、「再就業支援」や「復職」などのセミナーのお知らせをみてみましょう。
民間企業がセミナーをおこなっていることもあります。
また、住んでいる地域の歯科衛生士学校でも復職支援をおこなっていないか、探してみると良いでしょう。
まとめ
ここでは、ブランクのある歯科衛生士が復職に成功するためのポイントや不安の解消法についてご紹介しました。
復職に大切なこと
では、最後に今回のまとめです!
①復職しやすい環境を整えておく。
②正社員とパート、どちらの雇用形態で復帰するかを決めておく。
③以前の職場と新しい職場、どちらの就職先が自分に合っているか、メリット・デメリットを知っておく。
④スキルの不安は、復職支援セミナーや歯科助手業務中心からの復職がおすすめ。
「早く就職先を決めたい」という焦りから妥協してしまうと、後になって後悔することもあります。
納得した上で復職できるよう、準備を整えておきましょう。
「希望条件が多すぎて、自分に合った求人が見つからない・・・」という方は、人材紹介サービスを利用するというのもひとつの手です。
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ケース①ブランク5年 30代前半