今回は、歯科衛生士や学生のみなさんが歯科医院の見学時に抱える疑問や不安を解決!
見学時に注意してみておくポイントやおすすめの質問、見学時の服装など、詳しく解説していきます。
歯科医院の見学では、実際の忙しさや雰囲気など求人情報だけはわからない情報を得ることができます。
就職してから「こんなはずじゃなかった」とならないように、その医院があなたに合うかどうか確認できるよう、ポイントを押さえて見学にのぞみましょう。
目次
歯科医院の見学・質問ポイント
まずは、今まで医院見学をしてきた歯科衛生士さんから聞いた見学時のチェック項目を紹介します。
自分の希望条件によって見学時に確認しておきたいポイントは変わってくると思うので、以下のポイントを参考に考えてみてください。
医院の特徴
- 患者層
- 主な診療
- アポイント状況
- 待合室にいる患者さんの状況
患者さんの年齢層や、待合室の様子から医院の雰囲気や方針を知ることができます。
会社員の方が多く静かなら、落ち着いた空間を大切にしている医院なのかな、とわかります。
子供から大人まで患者層が広ければ、幅広い治療に対応していることがわかります。
また、年齢層と一緒に、主な診療内容も確認しておくと、保険治療やメインテナンスの割合もイメージすることができます。
業務内容
- 歯科衛生士の業務内容
- 歯科助手の業務内容
- 院長の業務内容
- 受付・事務の専任はいるのか
「歯科衛生士業務だけかと思ったら受付や事務もやらないといけなかった!」
「アシストばかりで他のスキルが全く磨けない」
というようなミスマッチを防ぐためにも、よく確認しておきましょう。
人柄
- 院長の人柄
- スタッフの人柄
- 患者さんへの対応
- 患者さんがいないときのお昼休み中の様子
時と場合により、対応の仕方がかわるため、そこから見えてくる人柄や人間関係もあります。
「患者さんには優しいけど、スタッフ同士の関係はよくなさそう…」という場合もあるので、状況に応じた人柄を見ることをおすすめします。
設備/滅菌消毒
- スタッフルーム
- 消毒・滅菌のやり方/設備
- 手袋を変えるタイミング
- 床に落ちたものの拾い方や処理方法
院内環境を確認することで、滅菌など感染対策にどれくらい気をつけているかがわかります。
また、毎日過ごす場所になるので、スタッフルームや休憩場所も確認しておきましょう。
「スタッフルームがなかった」
「スタッフルームの掃除は毎日新人の仕事だった…」
「スタッフルームの使い方に独特のルールがあった」
という場合もあるので、意外と大事なポイントだったりします。
見学面接のポイントをまとめた就活ノートを作ろう
見学や面接を複数受ける場合は、就活ノートを作成することをおすすめします。
医院理念や方針など、調べた情報を残しておいたり、確認したいポイントを書き出しておくと、見学や面接前に確認しやすくなります。
また、終わった後は、見てきたことや質問したことをまとめましょう。
他の医院と比較しやすいだけでなく「これも聞いておくべきだった」ということが出てくる場合があります。
情報を整理することで「自分が長く働くためには何を重視してみてきたらいいか」が見えてきますよ。
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見学の軒数や見学時間について
歯科医院の見学は3~5軒行くことをおすすめします。
見学や面接は多くの時間を使って行うため、なかなか時間が取れなかったり、気疲れしてしまい「ここでいいかな」と妥協して就職先を決めてしまう方もいると思います。
しかし見学した医院が1軒だけだと、自分に合っている職場なのか比較しにくいため、可能であれば3~5軒見学をして、自分が納得した職場で働けるようにしましょう。
また、見学時間は半日から1日程度が良いでしょう。
30分や1時間など短い時間だと、院長とスタッフの関係性や、先輩の人柄、医院の雰囲気などがよくわかりません。
医院の雰囲気や人間関係を知るために、お昼休憩中にスタッフ同士がどんなコミュニケーションをとっているのか、よくみてみましょう。
また、歯科衛生士と接する機会が一番多くなると思いますので、自分と合う人なのか、この人の下で働けそうなのかを考えながら、話しかけてみることをおすすめします。
見学時の身だしなみ・服装・持ち物
人の印象は出会って、3〜5秒で決まると言われています。
しかもその印象はなかなか変える事はできません。
メラビアンの法則によると、人がコミュニケーションで重視する部分の割合は以下のようにいわれています。
└表情、動作、立ち振る舞い、服装、メイク
声・・・38%
└声の高低、大小、強弱、スピード
言語情報・・・7%
└話の内容など
見学に適した服装
服装
シンプルで清潔感のあるスーツ色は黒や紺、グレーなどの一般的なものを選びましょう。
バッグ
履歴書などの書類を折らずに収納できるA4サイズのシンプルなビジネスバッグが無難です。メイク/爪
メイクはナチュラルメイクにしましょう。つけまつげや濃いメイクはNGです。またノーメイクも社会人マナーとして避けた方が良いでしょう。
ヘアスタイル
前髪が目にかかる方は スプレーで流すかやピンでとめましょう。髪の毛が肩に付く長さの方は一つに縛ったほうが好印象です。
二つ結びにしている人がごくまれにいるのですが、医療従事者としてあまり良い印象を持たれないので気をつけましょう。
持ち物
・写真付き履歴書(面接を同日に行う場合)・メモ、ペンなどの筆記用具
事前に歯科医院に持参するか確認が必要なもの
・白衣などの制服
・シューズ
※白衣・シューズは貸してもらえることも多いので確認してみましょう。
じゃあ視線や仕草にも気をつけないと、落ち着きがなく見えたりするかもしれないね。
見学時の注意点
見学時は、歯科医院のさまざまな側面を見ることができますよね。逆に、歯科医院のみなさんがあなたを見る場でもあります。
見学中のマナーや気をつけるポイントをしっかり押さえて、印象を悪くしないようにしましょう。
見学時は、面接以上に素の自分が出てしまうものです。好印象を与えるチャンスでもあるので、以下をしっかりと確認しておいてください。
歯科医院には遅くても10分前までにつく
歯科医院にあまりに早くついてしまうと、迷惑になる場合もあるので、10分前につくのがベストでしょう。
すぐに歯科医院の中には入らず、一呼吸おいて、見学時にチェックする項目を確認します。
5分前になったら、歯科医院の中に入って、受付へ声を掛けましょう。
もちろん遅刻は原則NGです。
院長やスタッフに「働いてからも遅刻してくるんではないか」と時間にルーズな印象を与えてしまいます。
できる限り、事前に下調べしておきましょう。
しかし、台風や大雪など天候による遅延や事故などで電車が大幅に遅れている場合は別です。
万が一、約束の時間に遅れてしまいそうな場合は、必ず早めに歯科医院に連絡をいれます。
・どの程度遅れそうなのか
・見学の時間が遅くなってしまっても大丈夫か
・日程を改めたほうがよいか
などの点を確認をしましょう。
ここで連絡を入れない方もいるみたいですが、「連絡なしに遅れてくる」ということで悪印象になり、大切な就職先の候補をつぶしてしまうこともあります。
遅れる時は、どんな理由でも、落ち着いて、誠意をもってしっかりと伝えましょう。
笑顔であいさつをしっかりしよう
えっ、当たり前でしょ、、と思う方も多いと思いますが、実は意外とできておらず、不採用になることが多いです。
何事もはじめが肝心です。
笑顔を絶やさず元気にあいさつすることを心がけましょう。
まず初めに受付の方には
「こんにちは/おはようございます。(お辞儀)
〇〇と申します。●●時の面接見学のお約束で参りました。」と元気よくあいさつをしましょう。
院長や見学の担当者の方が来たら
「こんにちは/おはようございます。(お辞儀)
〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします。」
と伝えましょう。
見学中の態度をスタッフや先生、患者さんに見られていることを忘れない
自分がこの医院と合っているか、考えるように医院のスタッフや先生もあなたと一緒に働きたいか見ています。
見学の際には、自分が医院のみなさん、来院している患者さんにどうみられているのかということを意識しないといけません。
そのため、診療室で見学している際に患者さんがみえたら、スタッフになったつもりで「こんにちは」とあいさつをしましょう。
患者さんは、あなたを見学中の人という見方をしてくれません。制服を着て見学をしている際には、突然患者さんから声をかけられることもあります。
そんな時は、慌てずに、笑顔で対応し、近くのスタッフに声をかけ、対応してもらいましょう。
見学に行く前に確認しておくポイント
- 自宅から歯科医院までの通勤経路
- 交通機関の混み具合や本数
自宅から勤務先の通勤経路を気にしない人もいますが、毎日、満員電車に乗っているとストレスが溜まったり、痴漢や喧嘩などのトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。
実際に通勤する時間帯での電車やバスの混雑状況、本数など確認しておきましょう。
特に車通勤の場合は、朝の通勤時間と夜の帰宅時間は渋滞がおきやすく、自分が予想していた通勤時間より30~60分くらい多くかかったというケースもあります。
そうなると朝早く起きたり、家に帰る時間が遅くなったりするため、疲労が蓄積してしまう可能性があります。
実際どのくらい通勤時間がかかるのか確認しておくといいでしょう。
また、初めて行くときは、地図上では簡単な経路だなと思っても、現地に行くと、意外と遠回りしたり、迷って遅刻してしまうこともあります。
時間に余裕があれば、事前に下調べしておくことをお勧めします。
見学中こんな所をチェックされている?!不採用になってしまったケース
最後に、実際に見学にのぞむ姿勢が原因で不採用になってしまった事例をご紹介します。
どんな事例があるのか、面接見学のプロであるシカカラDH求人のキャリアアドバイザーに聞いてみました!
【ケース1】 見学の時にあいさつや笑顔が少なかった
キャリアアドバイザーから聞いた1番多い意見があいさつや笑顔がないことでした!!
受付での初めのあいさつの時から、すでに面接が始まっています。
スタッフとすれ違う時もできる限り「こんにちは」とあいさつをしましょう。
知らない人ばかりで緊張してしまう気持ちはわかりますが、元気なあいさつと笑顔を心がけるようにしましょう。
【ケース2】 患者さんにあいさつをしなかった
来院されている患者さんたちは、あなたが見学に来ている人だとは知りません。
患者さんそっちのけで見学してしまうと、医院の印象悪化につながる可能性もあるので、患者さんへの心づかいを忘れてはいけません。
「こんにちは」「お大事にどうぞ」など声をかけるようにしましょう。
【ケース3】 片足に重心を置いて立っている、腕を組んでいる、壁によりかかっている
長時間の見学時に疲れた時や見学中にすることがない時に起こりがちです。
片足に重心をかけて立ったり、壁によりかかって見学をしていると「やる気がないのかな」と思われてしまいます。
【ケース4】扉や引き出しを勝手に開けていた
見学時、扉や引き出しを勝手に開ける事にいい顔をしない人もいます。
見学が始まる前にどこまで見学していいのか確認するようにしましょう。
また見学中にわからない事があった場合は、近くにいる手の空いているスタッフの方に一言かけるようにしましょう。
【ケース5】スタッフと話している時にネガティブな発言をしてしまった
見学中、手の空いているスタッフさんが話しかけてきてくれることがあります。
その際に「うちは勉強会が多くて嫌なんだよね」という話に「え~それは嫌ですね」と言ってしまったことにより、不採用になってしまった事例です。
スタッフさんの話に共感しただけなのかもしれませんが、悲しいことにネガティブな発言と捉えられてしまう事もあります。
また、新しく人を採用する際に、院長がスタッフの意見を参考にする歯科医院も多くあります。
スタッフさんとの会話をする事は、あまりネガティブな発言をしないように気をつけたほうがよさそうです。
【ケース6】 見学中、これはなんですか?と聞きすぎた
前職である程度、経験を積んでいる歯科衛生士の転職の見学時におきた事例です。
光重合照射や根管長測定器など、アシストで使用する器具や機材を知らないと「今までの歯科医院で何をしてきたのかな?」と不安になられてしまうことがあります。
メーカーによって見た目が違うのでわかりにくいと思いますが、あまりに一般的な器具や機材の用途を聞く時は注意しましょう。
まとめ
歯科医院見学の際は、態度やあいさつ、笑顔、患者さんへの心づかいなど、様々な面に気をつけましょう。
院長やスタッフさんに見られていることを意識しすぎて自然な自分を出せないと、働きはじめてから辛くなってしまうので、最低のマナーはわきまえつつ、自然体でもいられるように心掛けられるといいですね。
また、あなたの見学のために、時間をとってくれている歯科医院の院長・スタッフへの感謝の気持ちも、忘れないようにしましょう!