歯科衛生士の資格

歯科口腔外科での歯科衛生士としてのキャリア

投稿日:2017年10月2日 更新日:

歯科口腔外科での歯科衛生士としてのキャリアtopimage

 

高度なアシストや知識が重要な歯科口腔外科

歯科口腔外科は、「しかこうくうげか」と読みます。

単に、口腔外科と言うこともありますし、略して「口外(こうげ)」と言うこともあります。

その名の通り、外科処置を伴う歯科の領域です。

手術など、より高い集中力や手際の良さが求められる分野でもありますが、そんな歯科口腔外科で歯科衛生士はどのように活躍できるのでしょうか?

ここでは、歯科口腔外科事情から、歯科衛生士の役割や、やりがいなどをご紹介していきます。

歯科口腔外科とは?

歯科口腔外科で行われる代表的な治療は、

  • 埋伏抜歯
  • 智歯周囲炎の治療
  • インプラント
  • クラウンレングスニング(歯冠延長術)
  • 歯周外科 (フラップ手術、歯肉切除、歯周ポケット掻爬[そうは]、骨移植、歯槽骨の外科手術、GTR、エムドゲイン など)

などがあります。

その他には、

  • 顎の骨を削るなどの手術が必要な矯正
  • 嚢胞(のうほう)の摘出=膿を取る
  • ガン(舌癌、口腔癌など)の治療

も、歯科口腔外科の領域に含まれます。

通常の歯科医院だと、埋伏抜歯、智歯周囲炎の治療、インプラント、フラップ手術 などの症例数が多いようです。

歯科口腔外科をやっていると表明している(標榜している)歯科医院は、統計データがある2014年現在で34.7%あります。

全体の歯科医院数が68,761軒のうち、歯科口腔外科を標榜している歯科医院は23,808軒となっています。

歯科口腔外科での歯科衛生士のキャリアグラフ1

※歯科口腔外科を標榜していなくても、埋伏抜歯などの処置は行っているようです。

また、日本歯科衛生士会が行ったアンケートを見てみると、日本歯科衛生士会加入の歯科衛生士が勤める歯科医院の標榜科では、30.6%が歯科口腔外科を標榜しています。

厚生労働省の調査とも近いので、全体の約1/3の歯科医院は歯科口腔外科を行っている、と考えて差し支えないでしょう。

歯科口腔外科での歯科衛生士のキャリアグラフ2

歯科口腔外科における歯科衛生士の役割は?

歯科口腔外科領域の治療・処置は、外科処置なのでかなり高度なものになります。

基本的に処置を行うのは歯科医師で、歯科衛生士は処置(手術・オペ)の補助・アシストがメインになります。

むし歯治療であれば、診療アシストは歯科助手が行うことが多いでしょう。

ただ、歯科口腔外科では処置自体が高度で、時間との勝負でもあります。

そういう処置では、治療の流れが頭に入っている人がアシストを行うのが望ましいです。

つまり、歯科衛生士か、ベテラン歯科助手、ということになります。

もちろん、より技術を高めていきたいと考えている勤務医が参加するケースもあります。

月に何回も外科手術があるような歯科医院であれば、歯科助手も育成するでしょうし、口外のアシスタントとしてかなり優秀な歯科助手も沢山います。

ただ、外科はそんなに多くないのが一般的です。

なので、歯科衛生士学校で外科についてもある程度勉強してきている、歯科衛生士がアシストを任されることが多いと思われます。

どんな処置のアシストが多いかというと、やはり通常の歯科医院で行うことが多い、

  • 埋伏抜歯智歯周囲炎の治療
  • インプラント
  • フラップ手術

などです。

インプラントは、アシストの人が複数いることもよくあります。

歯科衛生士は「第一助手」として、オペのサポートをすることも多いでしょう。

日本歯科衛生士会が行った調査によると、歯科衛生士会に入っている歯科衛生士のうち、64.3%(約3分の2)の人は、歯周外科手術のアシストを行っている、と回答しています。

歯周外科手術のアシストは、そこそこ一般的、と考えてよいようです。

歯科口腔外科での歯科衛生士のキャリアグラフ3

※歯周外科 … フラップ手術、歯肉切除、歯周ポケット掻爬、骨移植、歯槽骨の外科手術、GTR、エムドゲイン など。

歯科口腔外科における歯科衛生士のやりがいについて

歯科口腔外科での歯科衛生士のキャリア図2

一般歯科や小児歯科、矯正歯科で働いていると余程のことがない限り、大量の血液を見る機会は少ないと思います。

その一方で、歯科口腔外科では、フラップ手術などによる出血や、エムドゲインなどの歯槽骨が露出する処置があるため、その他の標榜科目と比較すると、医療従事者であるという意識や責任感をより強く感じる機会があるようです。
(※当然ですが、どの領域でも、治療に対する高い意識や強い責任感で患者さんを診ていることに変わりはありません。)

特に、高血圧の方や、疾患を持っている高齢の患者さんの場合、出血量がひどく、高いリスクを負いながらの処置になるので、かなりの緊張状態で処置を行うことになります。

歯科口腔外科の治療に関わる歯科衛生士さんは、すべての治療が該当するわけではありませんが、目の前で行われる治療がすぐに良い悪いの結果として現れるため、自分がどのように貢献できたかという結果もすぐに出るところに”達成感が高く”やりがいを感じるようです。

また、歯周外科の治療では、日々の予防業務とも密接に関わる部分も大きくあります。

自分が担当している重度の歯周病患者に対して、フラップ手術によって、SRP後の残石を取り除き、炎症を抑えることで、患者さんの口腔機能が改善している経過をみることや感謝されることに、やりがいを感じるようです。

歯科口腔外科は、歯科医師一人で治療をすることより、歯科衛生士・歯科助手とともに治療にあたることが多く、チームで患者さんを救うため、そのような一体感やチームワークが好きな方は、とてもやりがいのある領域だと思います。

歯科口腔外科関連の学会

歯科口腔外科に関連した学会は複数あります。

日本口腔外科学会

https://www.jsoms.or.jp/
日本口腔外科学会は、1935年に発足した、歴史のある学会です。

日本口腔外科学会には、歯科衛生士の認定制度はありません。(2018年6月現在)

歯科医師向けの、認定医・専門医・指導医の認定はあります。

認定医・専門医・指導医の一覧は見られますが、公表されているのは歯科医師の氏名と勤務都道府県だけなので、「どこの歯科医院に勤めると、歯科口腔外科領域のスキルが身につくか」という視点では利用が難しいです。

歯科口腔外科領域のスキルを身につけたい場合は、歯科医院個別のホームページで探すなどするしかなさそうです。

日本小児口腔外科学会

http://www.jspoms.jp/
日本小児口腔外科学会は、平成元年(1988年)に発足した、小児専門の口腔外科の学会です。

こちらも、日本口腔外科学会と同じく、歯科衛生士の認定制度はありません。
歯科医院の一覧もありません。

国際口腔顎顔面外科学会

http://www.iaoms.org/ ※英語です。

アジア口腔顎顔面外科学会

http://www.asianaoms.org/ ※英語です。

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